Yousuke Yukimatsu / Lazy Rouse

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Simon Fowlerと出会ったのは、東京だったと思う
3年に2度ほどのタイミングで、ばったりでくわすマーダーチャンネルの梅ヶ谷君と
スコッチエッグ、それとサイモンがなぜか今は無きModuleで
GWやってるときにひょっこりあらわれた

彼はTHE BUGのアートワークとかもやってるんやで
そんなことをKIKIからも聞いてたのでベルリンに移り住み始めたニューロンドナーのお仲間かなと
そんな感じで接したのを覚えてる
なぜなら、アート的な話なぞ一切なく酷く酔っ払っていたからだ。

その後Facebookで彼の神経質なアートに触れ、現物をみてみたいものだと
思っていたが、それが急に大阪で開催される事になり
その情報を知ったのが行松陽介がポストした投稿であった。

世界は狭い。
その彼のアートワークをジャケットにしたMIXがリリースされる。
行松陽介がその行き所をBLACK SMOKERにしたことや経緯は
実のところ余り興味がない、お似合いではあるけども
ある意味彼のようなフィジカル性の高い体感性のあるDJが
意気揚々と息を吸える場所というのが限られているのだと言っているような物で
そこにぼくは弱冠のため息をつくことになってはいる。

さて、そんな事はさておき
彼のMIXが世に広く知られることになる作品を試聴させて頂いた。
その前に情報をなるたけ入れずに、彼そのものを見つめて
(実際横山純撮影のまるでメイプルソープ的なモノクロームの画像)
隆起する滑らかな肌感とそこに浮かぶ骨の太さや
自分が体感した彼のプレイなどを思い浮かべて何度も繰り返した。

74分弱という時間は、たしかに酷く重苦しい空気を漂わせてはいたが
耳に心地よさを保ってフロアの熱量とはまた違う、
汗をたくさんかいたあとの冷えゆく皮膚のような感触をもった。
IDMやチルウェーブ、ハードコア、ノイズ、ダブをコラージュのように重ね
塩化ビニールの溝を引っ掻くブチブチとした”生活音”も
生々しい飛沫を見ることは出来るが、実際肌にへばりつくあの感じとは違う。
全てが夢の痕のような、もしくは彼が見せる路上の色味がそうであるのか、
行松陽介のカラダに流れてる体液はもしかすると無色透明なのかと思うような
実に瑞々しく、若く、ベッドルームでうだる夏日の名古屋の太陽をさっと覆い隠すような
じつに涼しげ鳴る群像音劇に感じた。

大胆不敵ながらも、積み重ねた人生を輪切りにしたMIXに旧い8mmのような温かさがある
忘れぬようメモしておきたい。
1巡目したときに頭に過ぎった文章である。

彼女の両手が僕の首に絡みついていた。遭難者の手だってこれほど激しく絡みつくことはないだろう。
彼女は僕に救助してもらいたいのか、それとも一緒に溺れてほしいのか、僕には分からなかった

ラディゲ「肉体の悪魔」

ラディゲは20歳で夭折した、そしてこの主人公は15歳で
不埒な恋愛を実に冷淡に見つめる少年のストレートなエゴイズムが魅力である
ほぼ10代が10代を描く冷徹かつ”強者”のような美意識を
この一種異様な群像音劇MIXに添えようと思う。
それほどに、行松陽介の感覚は、とても鮮烈ではあるがどこか微熱的で
自分にはほど遠くなってしまった、恐るべき、子供、のようなエッジィさを
ほどなく思いださせてくれる甘さを感じた。

彼とは、余り沢山言葉をかわしたことはないが
恐らく、とても素朴で、いい人なんだと思う。
カッティングエッジな存在感が目には焼き付くが
横山純の、少しぼけたモノクロームの肌が、ぼくはむしろ
キャンバスに落ちた薄墨の染みのように、やさしく広がっていった。

是非あなたの書斎や車やベッドルームや、iPhoneで1人静かにお楽しみ下さい。

「ここでは、インダストリアルとスピリチュアルという、本来、相反するものと捉えられている概念が、奇跡的に融合しているのだ」
現在の関西を代表するDJ、行松陽介による極重チルアウト。5/25発売。

YOUSUKE YUKIMATSU 行松陽介

「ここでは、インダストリアルとスピリチュアルという、本来、相反するものと捉えられている概念が、奇跡的に融合しているのだ」
現在の関西を代表するDJ、行松陽介による極重チルアウト。5/25発売。

『Lazy Rouse』はモダン・エレクトロニック・ミュージックの最新実験報告書であると同時に、ノイズやストーナーのレコードまでターンテーブルに乗せることで、DJ・カルチャーの底意地と底知れなさを改めて思い起こさせてくれる、冒険的なミックスだ。もしくは、行松陽介が、まるで、精神を研ぎすまし、命を削るかのようにプレイする姿を知っているひとならば、ストリート(地上/現実)とアンダーグラウンド(地下/異世界)に挟まれたコンクリートにも似たグルーヴを、レベル・ミュージックとして受け取らないわけにはいかないだろう。ここでは、インダストリアルとスピリチュアルという、本来、相反するものと捉えられている概念が、奇跡的に融合しているのだ。 (磯部涼)

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行松陽介
2008年 大阪atmosphareでのSPINNUTSとMITSUKI主催『KUHIO PANIC』に飛び入り参加して以降DJとして活動。THE NAMINOHANA SPECIALでのKEIHIN、DJ NOBUとの共演から親交を深め、2014年春、千葉FUTURE TERRORでプレイ。2015年は2度のDOMMUNE出演、goatのサポートを数多く務め、PAN showcaseではLEE GAMBLEとB2B。Oneohtrix Point Neverの前座を務めるなど、活動の場を拡げる。2016年2月、SHAPEDNOISEをゲストに迎えてPARTY『ZONE UNKNOWN』始動。

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悔しいですが行松くんの大胆で果敢なミックスはいつだって興奮させてくれるし自分の音楽を拡張させてくれます。原曲が持つ曲の力を違った側面から魅せる事ができた作家性のあるミックスに仕上がっていると思います。彼が大阪にいて良かった。 (YPY)

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